その名は尾鈴山、山ねこといいます。

この山ねこは、黒木本店と同蔵になりますが、蒸留所が違います。
この尾鈴山蒸留所というのは山深い場所に造られていますが、近くに川が流れていてその建屋もとてもモダンで綺麗です。(まるで博物館の様です。)
こう言った所で造られている物は、美味しくないはずがありませんよね!
この山ねこもきろくと良く似た構成で、私の好みのゾーンにぴったりとはまってしまいました。
きろくと同じく2年以上寝かせた長期熟成タイプですが、使用する芋が違います。きろくは現在主流の黄金千貫ですが、山ねこはジョイホワイトと言う品種で仕込まれています。
この芋も勿論、自家農園で有機農法で栽培された物を収穫後すぐに仕込んでいます。
芋の違いからか、両者には微妙な味の違いがあります。全体の味の構成と言うか方向は同じなんですが、その甘さや口当たりや喉ごしにそれぞれ個性があります。
生で口に含んで見ると、甘い!きろくもかなり甘かったが、山ねこはその1.3倍くらいの甘さだ。舌の上で転がすとスッキリとした骨格を感じ、飲み込むと静かな余韻と共にスパッツと切れる。
まさに、山深い山林に静かに潜むヤマネコと言った感じだね。
味の方向が同じだけに、きろくにするか山ねこにするかはもう、好みの問題だろう。いや!無理に決める事はない、こんなに美味しいのだからその日の気分や肴に合わせてセレクトすればいいと思う。
きろくは甘くてふくよかなで優しい味なのに対し、山ねこはさらに甘く、味には1本芯があってスッパリ切れると言った感じだ。コクで選ぶかキレで選ぶかと言った所ですかね!
なんか西酒造の富乃宝山と吉兆宝山の関係に良く似ている。瓜二つだね!
山ねこの味は、肉料理との相性がいいと思う。焼き鳥・肉じゃが・焼肉など色んな物で飲んだが、香ばしい甘さで料理の味も引き立ち、キレの良さが肉の脂をほど良く切ってくれる。
生は勿論、色々な飲み方も試して見ました。驚いたことに山ねこは薄めても味や香りがボヤけることはありません。その上、氷を入れてキンキンに冷やしてもOKです。さらにキレが良くなる様にも感じました。
ストレートやロックは文句無しの◎でしたが、お湯割りでも物凄く甘さと香りが膨らむのには驚きました。
今は、暑いので冷たくして飲んでますが、冬場はお湯割りオンリーになることは間違いありませんね!むしろこちらの方が本領を発揮するのではないかと思います。
山ねこもきろくも昔ながらの芋臭いタイプではなく、今風の軽く甘い風味をいかした焼酎に仕上がっています。
良い具合に進化をしている焼酎達です。 ならびにこの酒蔵の進化も楽しみです。
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